フォンデアライエン独国防相の次期欧州委員長への就任が決まったことを受け、ドイツ政府は17日、与党・キリスト教民主同盟(CDU)のクランプカレンバウアー党首が新国防相に就任したと発表した。同氏はメルケル首相の後任として有力視されているが、連邦政府の閣僚に就任するのはこれが初めて。
フォンデアライエン氏は16日、欧州議会によって次期欧州委員長への就任を承認された。CDUに所属し、同首相の長年の盟友として知られるが、国防相としては不正調達問題や軍備のお粗末な実態の発覚を受け批判を浴びた。
クランプカレンバウアー新国防相は、こうした問題を引き継ぐほか、米トランプ政権が要求する軍事支出の拡大にも取り組む必要がある。フィナンシャルタイムズによると、メルケル首相は2024年までに軍事予算を国内総生産(GDP)比で1.5%に引き上げる方針を示しているが、現在の予想では逆に2023年には1.25%への低下が見込まれている。ドイツ政界では国防相は伝統的に「鬼門」と見なされる困難なポストで、国防相経験者が首相に上りつめた例は故シュミット元首相しかいない。
頭文字「AKK」を愛称とするクランプカレンバウアー氏は、昨年2月まで西部ザールラント州首相を務めていたが、メルケル首相によって党幹事長に抜てきされ、12月に同首相の後継となる新党首に選出された。メルケル路線を継ぐ党内の中道派で、「ミニ・メルケル」とも称されている。同氏はメルケル首相が2021年までの任期を満了することを支持しており、早期に首相に就任する意向はないとしている。[労務]
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