メイ首相は24日、欧州連合(EU)離脱協定を巡る下院での再採決を今週は行わず、3月12日までに実施する方針を示した。それまでに「バックストップ(安全策)」の見直しに向けた対EU交渉で成果を挙げる意向。ただ一部の下院議員は、離脱期限である3月29日に合意のないままEUを離脱する可能性を排除するため、離脱を遅らせる修正案などを提出しており、下院では27日にこれらの案を巡る採決が行われる見通し。BBC電子版が伝えた。
メイ首相はこの日、エジプトで開催されたEU・アラブ首脳会議(サミット)の会場で、トゥスクEU大統領やEU加盟各国の首脳とEU離脱方針について協議した。同首相は記者団に対し、英国とEUの交渉団が26日に再び協議するため、今週は下院で採決を行わないと説明。「3月12日までには実施できるようにする」とした上で、「3月29日に合意に基づきEUを離脱することはなお可能」との考えを示した。
これに対し、最大野党・労働党のイベット・クーパー議員と与党・保守党のオリバー・レトウィン議員は、3月13日までに下院で離脱協定が承認されなければEU離脱を遅らせる案を連名で提出。メイ首相はかねて、EU離脱の遅延には強く反対しているが、閣内からもクラーク・ビジネス・エネルギー・産業戦略相やラッド雇用・年金相、ガーク司法相兼大法官がこの案に賛成票を投じる可能性を示唆している。
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