英国のメイ首相は20日、欧州委員会のユンケル委員長と会談し、欧州連合(EU)離脱協定に含まれる「バックストップ(安全策)」の見直しについて協議した。この措置が期間限定であるとの法的確証や、バックストップの代替案、政治宣言の修正などの可能性について、双方の交渉団が協議を開始することを決めている。
両首脳は会談後の共同声明で、「話し合いが建設的であった」ことを確認。数日内に交渉団の協議内容を検討し、月内に再び会談を持つことで合意したとしている。
メイ首相は27日に再び下院でEU離脱方針に関する経過報告を行う予定。ただ、それまでにバックストップを巡る対EU交渉で成果を挙げ、この日に下院でEU離脱協定を巡る再採決を行うことはほぼ不可能と見られている。同首相が具体的な新方針を示せない場合、合意のないまま3月29日にEUを離脱する可能性を排除する修正案が再び下院で提出されることはほぼ確実。タイムズによると、閣外相も含め少なくとも20人の閣僚がこれを支持する可能性もある。
一方、与党・保守党から3人の議員が離党して無所属議員から成る「独立グループ」に参加し、下院での保守党の議席数がさらに減ったことを受け、EUでは離脱協定の可決を絶望視する見方が強まっている。EU側の交渉団は、下院で支持を得られないメイ首相がバックストップを巡る確証を求めるのは非現実的とみている。
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