英政府統計局(ONS)は13日、1月の消費者物価指数(CPI、2015年=100)が106.3ポイントとなり、前年同月比1.8%上昇したと発表した。伸びは昨年12月から0.3ポイント減速し、過去2年で最低を記録した。
最大の押し上げ要因は運輸で3.2%上昇。住宅・水道・電気・ガス・その他燃料は1.1%値上がりした。娯楽・文化は2.9%、外食・ホテルは2.6%それぞれ伸びている。食品・非アルコール飲料は0.9%値上がりし、アルコール飲料・たばこは4.2%のプラスだった。
価格変動の激しいエネルギー・食品・アルコール飲料・たばこを除いたコアインフレ率は1.9%と、前月から横ばいだった。
住宅所有者の住宅関連コストを含む物価指標「CPIH」の上昇率は1.8%。カウンシルタックス(住民税)などを含み、年金や賃金交渉で参考にされる小売物価指数(RPI)は2.5%伸びている。ONSがRPIに代わる新指標として試験的に導入している「RPIX」も2.5%上昇した。
CPIは前月比では0.8%低下。衣料品・履物は4.3%値下がりし、家具・住宅設備は2.1%、住宅・水道・電気・ガス・その他燃料は1.5%それぞれ落ち込んだ。一方、アルコール飲料・たばこは2.4%値上がりしている。
北アイルランドを除く英国では1月、標準的な世帯が支払う電力・ガスの合計料金を年間1,137ポンドに制限する規定が導入された。ONSは、これに伴い燃料価格などが下がったことがインフレ率の減速の一因になったとが分析する。
なお、英中銀イングランド銀行は先に開いた金融政策委員会(MPC)で、政策金利を0.75%に据え置くことを決めた。金融資産購入による量的緩和策の規模についても、4,350億ポンドで維持している。インフレ率については、短期的には中銀が目標とする2%をやや下回るものの、中期的には2%をやや上回る水準で推移するとみている。
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