英政府は21日、欧州連合(EU)域内と取引のある国内企業に対し、英国が何の合意もなくEUを離脱した場合の準備に直ちに着手するよう呼び掛けた。ただ、合意がまとまらない可能性は低いとの姿勢は維持している。
歳入関税庁(HMRC)はこの日、合意なし離脱の場合の通関手続きへの準備に関するウェブサイト上の情報を更新した。「パートナーシップ・パック」と題するこの情報は、10月に最初に掲載されてから随時、内容が更新されているが、今回はこれまでと違い直ちに対策を取る必要性を強調。具体的には、通関手続きの代行業者の手配や、輸出入申告用のソフトウエアの導入、EU域内の税関が使用する事業者登録・識別(EORI)番号の取得などを促している。
ストライド財務担当閣外相は公共放送BBCのテレビ番組で、英国が合意なしにEUを離脱することは考えにくいとした上で、「もしそうなった場合、EU加盟27カ国と輸出入取引のある事業者は一定の措置を取る必要が出てくる」と指摘。「今すぐそれらに対処すべきだ」と話した。
英商工会議所(BCC)、産業連盟(CBI)、エンジニアリング事業者協会(EEF)、小企業連盟(FSB)、経営者協会(IOD)ら5つの国内主要経済団体は先に、「政治家は派閥争いに夢中で企業が取るべき実務的な措置を示していない」と、強く非難していた。
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