メイ首相は27日、先に欧州連合(EU)と合意した「離脱協定」への支持を求めるため、北アイルランドとウェールズを訪問した。特に、与党・保守党と閣外協力する北アイルランド・民主統一党(DUP)が同協定に反対していることを受け、北アイルランドでは経済界を含む広範な層に支持を訴えた。
メイ首相は両地域の訪問に先立ち、「EUからは当初、英国の分断が必要と言われたが、英国全体で離脱できることになった」と強調。「この合意は英国の全地域との約束を果たすものだ」と訴えた。
英下院では12月11日に「離脱協定」の是非を問う投票が行われるが、DUPは北アイルランドが英本土と異なる扱いを受ける可能性があるとして、反対票を投じる構えを見せている。こうした中、メイ首相は同協定の経済的メリットをアピールし、北アイルランドの製造業者はアイルランドと英本土の両方と自由に取引を行える必要があると訴えた。このほか北アイルランドでは、学生や学界、地域および宗教指導者とも会談。また、ウェールズでは、政界および農家の代表者と協議した。
これに対し、DUPのフォスター党首は「メイ首相のプロパガンダだ」と批判。離脱協定が議会で承認を得るのは無理との見方を示し、「同首相は時間を無駄にしている」と話した。
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