欧州委員会がイタリアの2019年度予算案が財政規律に反しているとして制裁措置を開始した問題で、イタリア政府は26日、予算案で打ち出した政策をあくまで堅持する方針を示した。ただロイター通信によると、政府は現在、主な支出項目のコスト分析を行っており、その結果によっては財政赤字目標を引き下げる可能性も否定していない。
イタリア政府は10月、財政赤字の対国内総生産(GDP)比率を2.4%と、前政権が目指していた対GDP比0.8%から3倍に拡大する内容の予算案を欧州委に提出。同委はこれを拒否し、是正を求めたものの、イタリア政府が応じなかったため、先に制裁手続きを開始していた。
コンテ首相はこの日、第1党の反体制派政党「五つ星運動」を率いるディマイオ副首相および第2党で中道右派の同盟(旧北部同盟)を率いるサルビーニ副首相と、この問題について協議。その後に発表した声明で、年金改革の撤回や失業者や貧困層に最低限の所得を保障するベーシックインカムなど、「既に確定した予算目標の維持を確認した」と述べた。
ただロイター通信によると、コンテ氏らは「欧州委との協議を巡っては、社会的に最も影響の大きい政策案の厳密なコスト分析を待つことで合意している」とコメント。分析の結果、資金の余裕ができた場合は主に投資に回すとしているものの、政府筋によると財政赤字目標の引き下げにこれを充てる可能性も残されている。サルビーニ氏とディマイオ氏はこの前日にそれぞれ、予算案の財政赤字目標の数値にはこだわっていないと述べ、引き下げに応じる可能性を示唆していた。[EU規制]
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