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英政府、来年度予算案を発表 「緊縮財政は終わりつつある」

ハモンド英財務相は29日、2019/20年度の予算案を発表した。2018年の経済成長率見通しを1.5%から1.3%に引き下げる一方、来年度の見通しは1.3%から1.6%に引き上げ、「緊縮財政は終わりつつある」と宣言している。欧州連合(EU)からの離脱に備えては、既に費やした22億ポンドと、昨年の秋季財政報告で来年度の計上を約束していた15億ポンドに加え、さらに5億ポンドを追加で計上した。

予算案を発表したハモンド財務相(財務省の公式ツイッターアカウントより引用)

予算案を発表したハモンド財務相(財務省の公式ツイッターアカウントより引用)

新年度の予算は歳出が8,420億ポンド、歳入が8,100億ポンド。ハモンド財務相は「英国民のこれまでの我慢がついに実を結びつつある」と述べ、「緊縮財政の時代はついに終わりを迎えつつある」と明言した。メイ首相は先の与党・保守党大会で、緊縮財政の終了を予告していた。

これに対し、最大野党・労働党のコービン党首は「緊縮財政は終わっておらず、メイ首相の約束に反している」と批判。「付け焼刃の措置をいくつも打ち出しただけで、緊縮財政はじわじわと続いている」と非難している。

予算案の骨子は以下の通り。

■個人所得税・賃金

最低課税限度額を来年4月に現在の1万1,850ポンドから1万2,500ポンドに引き上げる。また、40%の高税率が課される限度額も4万6,350ポンドから5万ポンドに引き上げる。いずれも1年前倒しで目標水準への引き上げを達成する格好。また、全国生活賃金を現行の1時間当たり7.83ポンドから来年4月に8.21ポンドへと引き上げる。

■企業・デジタル

今後の公共プロジェクトでは、PFI(民間資金による社会資本整備)を廃止する。また、年間売上高5億ポンド以上の多国籍テクノロジー企業を対象に、2020年4月から英国での売上高に2%のデジタルサービス税を課す。一方、小規模小売企業を対象に、統一事業税の税率を来年4月から向こう2年にわたり3分の2に引き下げる。企業投資の課税控除額は、来年1月から2年にわたり20万ポンドから100万ポンドに引き上げる。

■インフラ・運輸

インフラ支出は30%拡大する。イングランドの道路の改修に約300億ポンドを計上する。これには、凍結による道路損壊の補修に向けた4億2,000ポンドの地方自治体への交付金が含まれる。また、欧州市民を対象とした空港でのeパスポート制度を、日本人や米国人など計6カ国のEU域外国民にも拡大し、無人ゲートを利用できるようにする。

■燃料・アルコール・たばこ

燃料税は、メイ首相が予告した通り9年連続で凍結する。ビール、サイダー、スピリッツ税も凍結する一方、ワインの物品税は小売物価指数(RPI)と連動して税率を引き上げる。たばこ製品の物品税は、RPIに2ポイントを加えた比率で引き上げる。

■エネルギー・環境

リサイクル率が30%以下のプラスチック容器の製造・輸入に2022年4月から新税を課す。持ち帰り用のコーヒーカップへの課税は当面は行わない。

■住宅

住宅インフラ基金に追加で5億ポンドを拠出し、65万件の新築住宅の建設を可能にする。

■保健医療・学校

イングランドの国民医療制度(NHS)に2023/24年度までにインフレ調整後で205億ポンドを追加投資する。NHSはこれにより、メンタルヘルス支出を同年度までに20億ポンド以上拡大する。また、学校予算を4億ポンド拡大する。

■成長率見通しを引き下げ

予算責任局(OBR)はこの日、今年の国内総生産(GDP)成長率見通しを1.3%に引き下げた。2019年は1.6%に加速するものの、2020年と2021年は共に1.4%にとどまるとしている。一方、今年のインフレ率の見通しは2.6%と、昨年の2.7%からやや減速し、2019年と2020年は共に2%に落ち着くとみる。財政赤字額を示す公共部門純借入額(PSNB)は、2018/19年度の従来予想を116億ポンド引き下げ、255億ポンドにとどまると予測。GDP比では1.2%となり、その後も一貫して縮小するとみている。公的債務残高は、2018/19年度には対GDP比で83.7%と、前年度の85%を下回ると予想。2023/24年度には74.1%まで低下するとみている。[環境ニュース]


関連国・地域: 英国
関連業種: 医療・医薬品化学運輸IT・通信天然資源小売り・卸売りマクロ・統計・その他経済雇用・労務政治社会・事件

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