ドイツ政府、難民対策を発表 流入数制限や送還の迅速化

ドイツのゼーホーファー内相は10日、難民政策の基本計画を発表した。移民・難民の流入数を減らし、不法移民の送還を迅速化するとともに、滞在を許された難民の社会への統合を促す狙い。全63件の措置を打ち出しており、オーストリアとの国境に他の欧州連合(EU)加盟国から流入する移民・難民を一時的に収容する中継センターを設置する案などが含まれている。

ゼーホーファー内相はかねて、メルケル首相の寛大な難民政策に反対していた。この基本計画は6月に発表される予定だったが、他国で難民申請をした人々を独警察が国境で追い返すことを認める案が含まれていたため、メルケル首相が反対し、発表が延期されていた。同首相は、国境での一方的措置はEU全域で難民問題の解決に当たる方針に反するとしていた。これを受け、ゼーホーファー内相は辞任を示唆。メルケル首相は、自ら率いるキリスト教民主同盟(CDU)の姉妹政党で同氏が率いるキリスト教社会同盟(CSU)の支持を失い、少数政権のかじ取りを強いられる可能性も生じていた。こうした中、メルケル首相とゼーホーファー内相は2日に緊急会談を行い、中継センターの設置案などで合意に達したため、ようやく発表にこぎ着けた。

基本計画では他に、難民申請者の登録や審査、却下された場合の送還を一括して手掛ける「アンカー・センター」を国内各州に設置する案や、北アフリカに移民・難民の一時受け入れ施設を設置する案も含まれている。また、社会統合研修を欠席した難民や難民申請中に出身国に一時帰国した人々への制裁を強化することも提案。さらに、EU域外との国境警備を強化するため、欧州対外国境管理協力庁(FRONTEX)に国境警察の役割を負わせるよう求めている。

中継センターの設置を巡っては、連立政権に参加する社会民主党(SPD)が連立合意に反するとしてこれに反対したため、政府もいったんこの案を撤回していた。ゼーホーファー内相があえてこれを今回の計画に含めたことで、CSUと社会民主党の間に火種が残る格好となる。また、計画の実現には、関係各国や国内各州の支持も必要となる。

ゼーホーファー内相はこの計画について「直ちに必要とされるドイツの難民政策の転換点となるもの」と説明。「移民を無制限に受け入れられる国など世界に1つもない」とした上で、「滞在する権利のある人々については社会への統合を望むが、統合は移民数を制限して初めて成功する」と話している。これに対し、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は、「この計画は管理や手続きの厳格化に重点を置き、人間という最も重要な要素を無視している」と懸念を示した。


関連国・地域: ドイツEUアフリカ
関連業種: 経済一般・統計社会・事件政治

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