Ifo経済研究所は21日、ドイツの国内総生産(GDP)が今年は2.6%拡大するとの見通しを発表した。向こう数カ月は力強い成長が続くとみる一方、来年は2.1%増に減速すると予想。いずれも、昨年12月時点の予測を維持している。
Ifoは、米国の税制改革やユーロ圏経済の回復を背景に、ドイツの財・サービスの需要は拡大していると分析。その半面、米国が欧州連合(EU)の鉄鋼・アルミニウムに新たな輸入関税を課す可能性が浮上していることや欧州単一通貨ユーロの上昇基調により、独企業の景況感が低下しているとした。また新政権の経済政策については、特に公的支出の増加などが短期的な刺激効果をもたらすものの、税制や社会保障制度の改革に期待できるものがなく、米仏英の法人減税に対応できていないと指摘している。
労働市場については、今年は就業者数が4,484万8,000人に増え、来年にはこれが4,526万4,000人に達すると見込む。失業率は今年に5.2%、来年に4.8%にそれぞれ改善するとみる。インフレ率は、今年は1.8%と2017年の水準を維持し、来年は2.2%に加速すると予想する。
ドイツの2017年の財政収支は約366億ユーロの黒字。Ifoは、今年は383億ユーロ、来年は389億ユーロと拡大基調を維持すると予測している。
なおドイツ経済研究所(DIW)は、今年のGDP成長率が2.4%、来年は1.9%になると予測。前回12月時点からそれぞれ0.2ポイント、0.3ポイント引き上げた。上方修正は、先にメルケル首相率いる第1党の中道右派キリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)と中道左派の社会民主党(SPD)による連立政権が発足したことが背景にある。[労務]
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