ロシアで18日、大統領選挙の投開票が行われ、現職のプーチン大統領 (65)が再選を確実にした。中央選挙管理委員会によると、開票率50.8%時点の同大統領の得票率は75.1%と、2012年の前回選挙の63.6%を上回った。通算4期目に突入し、2024年までの任期を務める。各紙が伝えた。
今回の選挙にはプーチン氏を含む計8人が出馬。うち、ロシア連邦共産党のパーベル・グルジニン氏は13.3%を得票し2位に付け、これに極右・自由民主党(LDPR)のウラジーミル・ジリノフスキー党首(6.3%)、女性テレビ司会者のクセニヤ・ソプチャク氏(1.4%)が続いた。プーチン大統領の最も有力な対抗馬と目されていた反政府勢力の指導者アレクセイ・ナワリヌイ氏は、有罪判決を受けていることを理由に立候補の届け出を却下された経緯があり、同大統領の再選は確実視されていた。
選挙直前には、英国で起きた元ロシア情報員とその娘の暗殺未遂事件へのロシアの関与疑惑が持ち上がり、両国は互いに外交官の国外追放を決め、非難の応酬を繰り広げた。シリアやウクライナへの軍事介入を巡っても欧米との関係が悪化する中、プーチン氏の強気な外交姿勢がさらなる支持を集めたとの見方もある。
投票率は63.7%と前回の65.3%を下回ったものの、プーチン陣営の広報担当者は今回の結果について、驚くべき勝利だとした上で、「プーチン氏が今後の政策決定を行うに当たり必要な国民の負託を得た」と満足感を表明した。
なお、有権者に選挙のボイコットを呼び掛けていたナワリヌイ氏は、不正監視のため約3万3,000人のボランティアを配置。モスクワやサンクトペテルブルク、南西部バシコルトスタン共和国で数百件の不正があったとしている。一方、独立系選挙監視団体ゴロス(Golos)は不正行為が2,000件近くに上ったとし、投票開始前に選挙管理委員が票の水増しを行ったり、投票所の監視カメラが風船などで妨害されたケースなどを報告している。
プーチン大統領は2000年から2期8年を務めた後、首相に転身したが、実質的には政権トップに君臨し続け、大統領の任期はこの間に6年に延長された。憲法ではさらなる続投は認められていないが、プーチン大統領はその後の影響力維持に向け、各州のトップに相次いで若手を起用するなど、後継者の育成に着手している。
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