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欧州議会、新議席案を可決 ブレグジット後の議会選見据え

欧州議会は7日、英国の欧州連合(EU)離脱後に行われる欧州議会選挙に向け、全体の議席数を751議席から705議席に削減する案を可決した。英国が現在保有する73議席のうち27議席をフランスやスペインなど他の加盟国に割り当て、残り46議席は空席となる。

欧州議会の憲法問題委員会は1月、再配分案を発表。英国の一部議席を譲り受けるのは14カ国で、内訳はフランスとスペインが5議席、イタリアとオランダが3議席、アイルランドが2議席、ポーランド、ルーマニア、スウェーデン、オーストリア、デンマーク、スロバキア、フィンランド、クロアチア、エストニアが1議席。なおドイツの議席数は現状維持となる。

残りの46議席については、将来の加盟国に割り当てられるか、空席のままとなる見込み。憲法問題委は先に、ある加盟国の市民が他の加盟国の候補者に投票できる「汎欧州選挙区」制度向けに議席数を割り当てる案を提示していたが、これは今回、368対274の反対多数で否決された。同選挙区の導入はEUの選挙法改革案に盛り込まれており、マクロン仏大統領が中心となって提唱していたが、欧州議会の最大会派である中道右派の欧州人民党(EPP)はポピュリストの立候補者が大半を占めかねない可能性などを恐れており、賛同は得られなかったようだ。

次回の欧州議会選は、英国がEUを離脱する2019年3月から2カ月後の5月に実施される。議席数の再配分案は6月に欧州理事会で審議・投票された後、欧州議会で最終投票が行われる予定。

■副議長を不適切発言で解任

なお欧州議会はこの日、447対196の賛成多数で、ポーランドの与党・法と正義(PiS)所属のリシャルト・ツァルネッキ副議長を罷免した。同国の最大野党・市民プラットフォーム(PO)所属のローザ・トゥーン欧州議員に対し、ナチス占領下時代に絡む不適切な発言を行ったため。

ツァルネッキ氏はトゥーン氏がドイツのテレビ局に対してPiSの政策に苦言を呈したことに反発。同氏を、ナチス占領下に隠れていたユダヤ人やユダヤ人をかくまったポーランド人を脅迫した裏切り者という意の「szmalcownik」と呼んだ。

欧州議会は今後、新たな副議長を選出する必要がある。なおツァルネッキ氏は引き続き欧州議員を務める。


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