移行期間巡る交渉指針を採択 EU、英に意思決定参加認めず

欧州連合(EU)の英国を除く加盟27カ国は29日、英国のEU離脱に関する総務理事会を開き、制度激変を避けるための移行期間を巡る交渉方針を定めた指令を採択した。移行期間中、英国はEUの法規制を順守し、予算拠出金も支払う義務がある一方、EUの意思決定には参加できないとしている。

欧州委員会は昨年12月に交渉方針案を発表していた。英国はかねて、正式な離脱日である2019年3月29日から約2年にわたる移行期間が必要との見解を示していたが、同指令ではこれを2020年12月31日までに限るよう提案。また、英国は移行期間中、EUの関税同盟および単一市場に参加し続けるのと引き換えに、「ヒト・モノ・カネ・サービス」の4つの移動の自由を受け入れるべきとし、“いいとこ取り”は認めないと明言した。法制面では、移行期間中はEUの監督を受け入れるとともに、欧州司法裁判所の管轄下に置かれることを再確認している。

英国のデービスEU離脱相は、移行期間中もEU法の内容に対する発言権を確保したい意向とされ、交渉が難航する可能性もある。また英政府は、移行期間中にEUとの貿易交渉がまとまらず、移行期間の延長を求める必要が生じる可能性もあるとみている。指針では延長の可能性や手続きには触れていない。

指針が採択されたことを受け、英国とEUは移行期間を巡る交渉に着手する。英国は3月までに移行期間の内容について合意し、3月以降はEUとの通商協議に入ることを目指している。英企業の多くは、3月までに移行期間で合意できなければ、従業員の国外への異動など緊急時対応計画を始動させるとしており、交渉が長引けば企業の国外流出が加速する恐れがある。[EU規制][労務]


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