英政府統計局(ONS)は26日、2017年第4四半期(10~12月)の国内総生産(GDP、速報値)が前期比0.5%増加したと発表した。前期の0.4%から伸びがわずかに加速し、市場予想を上回った。通年では1.8%拡大したが、2016年の1.9%増からは減速している。
産業別に見ると、英経済の原動力であるサービス業は0.6%拡大。伸びは前期から0.2ポイント加速した。うち、ビジネスサービス・金融と自動車販売を含む運輸・倉庫・通信が共に0.8%伸びた。流通・ホテル・レストランは0.1%増加した。
鉱工業は0.6%増加し、第3四半期の1.3%増から伸びが減速した。製造業は1.3%拡大した。電気・ガス・蒸気・空調供給は0.4%、水道・下水・廃棄物処理は0.3%それぞれ伸びている。一方、採鉱・採石は3.9%落ち込んだ。
建設業は1%、農林水産業は0.4%それぞれ減少した。
GDPは前年同期比では1.5%拡大し、伸びは第3四半期から0.2ポイント減速した。
ONSは人材派遣会社や賃貸業者、オフィス管理などが英経済を後押しした半面、消費者と直結した分野では成長の鈍化や不安定さが見られたと指摘。英国は欧州連合(EU)離脱の決定を背景としたポンド下落を受け、インフレ率の上昇ペースが賃金の伸びを上回っており、消費者の購買力をそいでいる。
国際通貨基金(IMF)は先に、英国の2017年のGDP成長率が1.7%になるとの見通しを示していた。今年については1.5%を見込む。来年は1.5%になると予想し、従来予測から0.1ポイント引き下げている。
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