10億ドルのVCファンド設立 ルノー・日産・三菱、技術支援へ

ルノー・日産自動車・三菱自動車連合が、新たなモビリティー技術の新興企業やオープンイノベーションを支援するベンチャーキャピタル(VC)・ファンド「アライアンス・ベンチャーズ(Alliance Ventures)」を設立した。車両の電動化や自動運転システム、コネクティビティー、人工知能(AI)などを対象に、向こう5年間で最大10億ドルを投資する方針。同連合のカルロス・ゴーン会長兼最高経営責任者(CEO)が9日、米ラスベガスで開催中の世界最大級の家電見本市「コンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES)」で明らかにした。

VCファンド設立を発表するゴーンCEO(ルノーの公式ツイッターアカウントから引用)

VCファンド設立を発表するゴーンCEO(ルノーの公式ツイッターアカウントから引用)

アライアンス・ベンチャーズへの出資比率は、ルノーと日産がそれぞれ40%、三菱が20%となる。初年度は2億ドルを投じる予定で、最初の投資先はコバルトを使用しない全固体電池の素材を開発する米アイオニック(Ionic)・マテリアルズ。共同開発契約の締結と合わせて、同社の株式を取得する予定だ。アイオニックはマサチューセッツ州を拠点に、自動車などに使われる高密度エネルギーバッテリーの性能やコスト効率を高める固体高分子電解質を開発している。

ルノー・日産自動車・三菱自動車連合は昨年9月、年間のシナジー効果を100億ユーロへと倍増させる新6カ年計画「アライアンス2022」を発表。アライアンス・ベンチャーズはこれと連動し、自動車業界で最大の企業VCを目指すとしている。ゴーン氏は「われわれの開かれた革新的アプローチにより、アライアンスのグローバルなスケールメリットの恩恵を受ける新興企業や技術起業家に投資し、協業することが可能になる」と意義を強調した。

自家用車の所有を前提とした自動車産業のビジネスモデルは、米ウーバー(Uber)のような配車サービスや、カーシェアリングサービス、ライドシェア(自動車の相乗り)サービスなど新種のモビリティーサービスの台頭により脅かされている。こうした中、自動車業界では自前のベンチャーキャピタル子会社を通じて最新のモビリティー技術の取り込みを図る動きが加速している。独高級車大手BMWが5億ユーロを投じて「 BMWiベンチャーズ」を設立したほか、米ゼネラル・モーターズ(GM)は2億4,000万ドルを投資し「GMベンチャーズ」を、仏グループPSA(旧プジョー・シトロエン・グループ)も1億ユーロでベンチャーキャピタル子会社を新設している。[日本企業の動向][M&A]


関連国・地域: ドイツフランスアジア米国
関連業種: 自動車・二輪車IT・通信製造一般金融・保険社会・事件

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