Ifo経済研究所は14日、ドイツの来年の国内総生産(GDP)成長率が2.6%になるとの見通しを明らかにした。経済の好調ぶりを背景に、9月に発表した秋季合同経済予測の2%から大幅に上方修正している。
Ifoは、今年1~9月期のGDP成長率は前年同期比で平均0.8%と、大きく加速したと説明。建設業や製造業、流通業など多くの分野が好調で、企業景況感は過去最高を更新し続けていると指摘した。この勢いは2018年も続くが、2019年は2.1%に減速すると見込んでいる。今年の成長率は2.3%と、6月時点の予想である1.8%から上方修正。今年は1年前に比べ稼働日数が少ないが、そうでなければ2.5%を達成できたとの見方を示した。
労働市場については、今年は就業者数が大きく65万人増加する一方、来年にはこれが49万人、2019年には41万5,000人にそれぞれ落ち着くと見込む。失業者数は向こう3年間に減少すると予想。失業率は今年に5.7%、来年に5.3%、2019年には4.9%にそれぞれ改善するとみる。
インフレ率は、エネルギー価格の回復を背景に昨年の0.5%から今年は1.8%に加速すると予測。来年は好景気に後押しされて1.9%、2019年には2.2%に達すると予想する。
財政収支については、現時点で政権が確立されていないため見通しを立てるのは困難と説明。その上で、現状から大きく変わらない場合は、今年の財政黒字が421億ユーロと、4年連続で過去最高を更新すると分析した。来年は506億ユーロ、2019年は621億ユーロをそれぞれ見込む。
Ifoは英国の欧州連合(EU)離脱交渉について、合意がまとまらず、万が一世界貿易機関(WTO)のルール下に置かれた場合、長期的に1人当たりGDPが英国で1.4%、EUで0.25%それぞれ押し下げられると分析する。また、中国の経済成長や現在米議会で新語中の税制改革も、世界経済のリスク要因になるとした。[労務]
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