政府は27日、欧州連合(EU)離脱後や技術の変化を見据えた産業戦略白書を発表した。長期にわたり低迷する生産性の向上と経済成長の促進に向け、自動車、建設、人工知能(AI)、生命科学の4分野を支援する。
政府は、これら4つの業界と「セクター・ディール」を結んだ。セクター・ディールは、技術革新の加速や生産性の向上、輸出増加に向けた各業界特有の課題の解決に政府が協力するもの。メイ首相が1月に草案を発表し、産業界や学界の意見を聞いた上で今回、具体化した。
新産業戦略ではまた、AI、クリーンな成長、高齢化社会、将来のモビリティーを「4大チャレンジ」に指定し、企業や学界、市民と協力して技術革新と研究開発(R&D)、国際的なビジネスチャンスへの応用に取り組む方針を示した。
政府は新産業戦略の中で、2027年までにR&D投資が国内総生産(GDP)に占める比率を現在の1.7%から2.4%に引き上げ、R&D費用の税額控除率を12%に高めるとしている。加えて、新たに産業戦略チャレンジ基金を設置し、7億2,500万ポンドを投資する方針も示した。人材面では、STEM(科学・技術・工学・数学)分野のスキル不足解消に向け、数学やコンピューター、技術の教育に追加で4億600万ポンドを投資するとしている。
経営団体の英産業連盟(CBI)のキャロリン・フェアバーン事務局長は、「ブレグジットを控え、経済見通しも悪化する中、国内企業の90%は政府の新産業戦略が生活水準の向上に不可欠と考えている」とした上で、政府に対し、この戦略を迅速に行動に移すよう求めた。[環境ニュース][労務]
※本コメント機能はFacebook Ireland Limitedによって提供されており、この機能によって生じた損害に対して株式会社NNAは一切の責任を負いません。