メルケル独首相率いるキリスト教民主同盟(CDU)は26日夜、社会民主党(SPD)との連立政権樹立を模索する方針を固めたと発表した。先に自由民主党(FDP)および緑の党との連立協議が決裂したことを受け、少数政権の立ち上げや再選挙の実施よりも、SPDとの大連立継続の可能性を探る格好。ドイチェ・ウェレなどが伝えた。
SPDは9月の選挙結果を受けて下野する意向を示し、かねて連立協議参加の可能性を否定していた。しかし、CDUと他党の協議決裂をきっかけに、ドイツの政治的安定や再選挙回避を求める声が高まり、態度を軟化させた。ただSPD前党首のガブリエル副首相兼外相は週刊紙ツァイトが主催したイベントで、「必ずしもSPDが連立で合意するとは限らない」とくぎを刺している。
メルケル首相とSPDのシュルツ党首、CDUの姉妹政党・キリスト教社会同盟(CSU)のゼーホーファー党首は、30日にシュタインマイヤー大統領と会談する予定。クリスマスまでに合意に至らなければ、少数政権の樹立に舵を切る可能性もあるが、CDUのクレックナー副党首は、協議開始は来年にずれ込むとの見通しを示している。
SPDは連立協議の中で、健康保険改革、住宅や教育への投資などを提案するとみられる。難民政策では受け入れ数の上限廃止を求めるとされ、CSUの方針と異なることから交渉は難航するとの見方が広がっている。
市場調査機関TNSエムニド(Emnid)が行った最新の世論調査によると、CDU・CSUの支持率は33%と前回調査から2ポイント上昇。SPDも1ポイント上げて22%に達している。
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