独エネルギー最大手エーオンから分離した火力・水力発電・エネルギー取引子会社ウニパー(Uniper)は21日、フィンランドの電力大手フォータム(Fortum)による買収提案を拒否したと発表した。提示額が自社の企業価値を反映していない上、利益ある成長を支えるものではないとして、株主に対して取引に応じないよう呼び掛けている。
フォータムは9月、エーオンから46.65%のウニパー株を取得することで暫定合意。1株当たり22ユーロで買い取る方針で、同社の企業価値を80億5,000万ユーロと評価した。残りについても株式公開買い付け(TOB)を実施し、全株式の取得を目指している。
その後、ウニパー株が1株当たり24ユーロ近くに上昇しているにもかかわらず、フォータムは支配権プレミアムを支払う意向を示していない。ウニパーはこうしたことから、今回の取引は公正でないと主張。2002年以降の欧州における企業買収での支配権プレミアムの平均を考慮すると、1株当たり27ユーロ(総額98億8,000万ユーロ)超を支払うべきとしている。
ロイター通信によると、フォータムは提示額を引き上げるつもりはないもよう。一方のウニパーは交渉に前向きな姿勢を示している。[M&A][環境ニュース]
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