金融情報サービス会社IHSマークイットは1日、10月の英国の製造業PMI(購買担当者景気指数)が56.3ポイントとなったと発表した。低下するとの市場予想に反し、9月(改定値)から0.3ポイント上昇。景気の「改善」と「悪化」の境目である50ポイントを15カ月連続で超えており、力強い第4四半期(10~12月)のスタートを切った格好だ。
生産高は前月並みの伸びを示し、消費財、中間財、投資財がいずれも拡大。後者2つは好調な新規受注が背景にあるが、消費財は過去7カ月で最も減速している。新規受注は内需がけん引しつつ、輸出向けも増加。特に米国、欧州大陸、南米、オーストラリアからの需要が改善した。雇用ペースは過去40カ月で最も加速。仕入れ価格と出荷価格は共に上昇を続け、長期平均を大きく上回っている。
マークイットのロブ・ドブソン首席エコノミストは、「英製造業は力強い足取りで今年最後の四半期を始めたようだ」とコメント。第4四半期の製造業生産は前期比1%近く拡大するとの見方を示した。また、製造業の健全ぶりとインフレ圧力が、英中銀イングランド銀行が2日の金融政策委員会(MPC)で10年ぶりに利上げに動くとの公算をさらに確かなものにしていると分析した。
■アイルランドは低下
マークイットによると、10月のアイルランドの製造業PMIは54.4ポイント。前月から1ポイント低下した。新規受注は引き続き拡大し、輸出向けは過去4カ月で最も伸びた。雇用も堅調に増加したが、生産高の伸びは3月以降で最も減速している。
※本コメント機能はFacebook Ireland Limitedによって提供されており、この機能によって生じた損害に対して株式会社NNAは一切の責任を負いません。