経済協力開発機構(OECD)は17日、英国経済に関する最新報告書を公表し、欧州連合(EU)離脱後の不透明感やリスクを抑えるため、EUとの緊密な経済関係を維持するよう勧告した。生産性を引き上げて生活水準を維持するなど、英政府が取り組むべき施策も提言している。
OECDは、短期的に最大の課題はEU離脱による打撃を最小限に抑えるためEUや他の諸国との包括的な自由貿易協定(FTA)を結ぶことと指摘。また2007年以来、労働生産性が伸び悩み米国やドイツ、フランスなどを下回るが、EU離脱で不透明感が増し企業の投資が落ち込むことでこれが悪化する懸念があり、英国経済は何年にもわたり成長が妨げられる可能性があるという。
このため生産性の向上に向けた投資強化のほか、財政措置の見直しの必要性を指摘。またロンドンおよびイングランド南部と北部との生産性格差に対処するため、交通や住宅を含めた地方への投資強化、技術革新や企業による先端技術の採用支援など地域の生産性を高める施策にも触れている。
なお、インフレ率は英中銀イングランド銀行が目標とする2%を上回っているが、ポンド安による輸入価格の高騰によるものであり、英中銀はさほど懸念することはないと指摘している。
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