英政府統計局(ONS)は9月29日、2017年第2四半期(4~6月)の国内総生産(GDP、確定値)が前期比0.3%拡大したと発表した。改定値から変化がなく、伸びは第1四半期から横ばい。18四半期連続でプラス成長を維持したが、勢いは昨年第1四半期以降で最も弱い水準となっている。
産業別に見ると、英経済の原動力であるサービス業は0.4%拡大。改定値から0.1ポイント下方修正されたが、前期の0.1%からは伸びが加速している。
鉱工業は0.3%減少し、第1四半期の0.3%増からマイナスに転じた。うち水道・下水・廃棄物処理は1%縮小。製造業と電気・ガス・蒸気・空調供給は共に0.3%減っている。一方、採鉱・採石は0.6%増加した。
建設業は0.5%縮小。農林水産業は0.1%のマイナスとなった。
支出項目別では、家計最終消費支出が0.2%増加。投資を示す総固定資本形成は0.6%拡大し、前期の0.5%増からわずかに加速している。政府最終消費支出は0.1%増えた。
貿易は輸出が1.7%増加した一方で輸入の伸びは0.2%にとどまり、輸出から輸入を差し引いた純輸出はGDPを0.4ポイント押し上げた。
ONSのGDP統計担当トップ、ダレン・モーガン氏は、「上半期は減速が顕著だった。第2四半期に成長したのは、好調のサービス業界のみ」とコメント。シンクタンクの国立経済社会研究所(NIESR)は先に、英国のGDP成長率が2017年は1.7%、2018年は1.9%になるとの見方を示した。また、国際通貨基金(IMF)は、今年が1.7%、来年は1.5%になると予想している。
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