経営団体の英産業連盟(CBI)は17日、ブレグジット後の移行期間を最大3年間に設定することなどを求める公開書簡を、英国のデービスEU離脱担当相と欧州委員会のバルニエ首席交渉官に送った。ブレグジット交渉の見通しに依然として不透明感が残る中、将来の雇用に影響を及ぼす投資決定を今すぐに下しても、十分な移行期間が必要だと主張。通信大手BTグループやガス・電力大手セントリカなど100社超の英企業が署名している。
CBIは書簡の中で、英国とEUにおいて計100万人超の労働者を抱える英企業を代表しているとした上で、原則的な自由貿易に基づく英国とEUの新たな経済関係を確立するために協力する姿勢を強調。しかし、移行期間に関する合意がまとまり、ブレグジットの最終交渉が開始するまでは、「協定なし」でのEU離脱となるリスクが残り続けるとの懸念を示している。
EU側は、英国を除く加盟27カ国がEU離脱に関する条項で「十分な進展」が見られたと認めた場合に限り、貿易関係の協議を始めるとの立場を取っている。英国は、交渉が妥結するか否かにかかわらず、2019年3月にEUを離脱する予定だ。
なお、英国のハモンド財務相とフォックス国際貿易相は8月、EU離脱後の急激な変化を避けるために移行期間を設ける旨の共同寄稿を発表。その一方で、離脱時点でEU単一市場と関税同盟からも離脱することを明示している。[労務]
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