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通関などで8億ポンドのコスト増も 歳入関税庁、ブレグジット対応で

歳入関税庁(HMRC)のジョン・トンプソン長官は15日、英国の欧州連合(EU)離脱後の通関手続きや国境検査に対応するためには、最大で8億ポンドの費用がかかるとの見解を示した。新制度を実施するには職員を最大5,000人増やす必要があり、最長7年を要するとしている。同長官の下院・財務委員会での発言を元に、BBC電子版が伝えた。

同長官によると、HMRCは現在、企業の通関手続きと国境検査を1カ所でまとめて行う「シンガポール方式」を検討している。26の関係機関の窓口を一本化することにより、貿易の円滑化が図れるという。

ただ、これを実施するためには5億~8億ポンドの費用と、5~7年の期間が必要になると指摘。現時点でHMRCには新制度の実施に必要な資金も人手もないため、財務相と協議中と話した。また、新制度の実施に当たり最も混乱が予想されるのは、英南部ドーバーと仏北部カレーを結ぶ英仏海峡トンネルとの見方を示している。

一方、HMRCのジム・ハーラ顧客戦略局長によると、EU域内のみを対象に輸出を手掛けており、ブレグジット後に新たに申告手続きが必要となる企業の数は13万社に上る見通し。この結果、申告手続きの処理件数は現在の5倍に増えるとの試算を示した。

英国はブレグジットに伴い、EUの関税同盟からも脱退する方針を示している。8月には、EU離脱後の英・EU間の関税のあり方について2つの案を提示。英・EU間の既存の取り決めを一部流用する案と、新関税パートナーシップを結ぶ案で、いずれも通関手続きなどの負担増は最大限に緩和し、一定の移行期間を設けるとしている。政府は今後、これらの案について産業界と協議した上で「関税白書」をまとめ、今秋中に関税法案を提出する計画。[労務]


関連国・地域: 英国フランスEU
関連業種: 運輸マクロ・統計・その他経済雇用・労務政治

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