英政府は欧州連合(EU)離脱後のEUからの労働者の受け入れについて、非熟練労働者については居住許可を最長2年間に制限する一方、熟練労働者には3~5年間の申請を認めることなどを検討している。内務省の内部文書を元に、ガーディアンが5日夕報じた。
この文書は8月に作成されEU離脱後の移民制度に関する提案を示しているが、まだ内閣の承認は得ていない。文書では、EUからの労働者に帯同できる家族の定義も厳格化し、配偶者やパートナー、18歳未満の子供、扶養親族に限定することを提案。EU市民に対する入国審査でも従来認めていた国民登録身分証明書ではなくパスポートの提示を求め、3カ月から6カ月など一定期間の滞在を認めるものの、それ以降の長期滞在では指紋など生体認証を用いた居住許可証の申請を義務付ける。職探しでの入国は制限し、経済的に自足できる移民には収入基準を設けることも検討する。
雇用主に対しては国内で必要な労働者を探すとともに、技能格差を解消するため訓練に投資するよう求める。ただし文書では、「EU市民に対する将来的な移民制度は、必ずしも現在の非EU市民に対する制度と同等ではない」として、EU市民への扱いが非EU市民よりも有利になる可能性を指摘している。
この内容について内務省のスポークスマンは、政府は漏洩(ろうえい)文書に対するコメントはしないとして、「英国の国境管理を取り戻す新たな移民制度に対する最初の提案を今秋にもまとめる」とだけ述べている。[労務]
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