欧州各地でテロが相次いでいることを受け、イタリアの観光地が警戒態勢を強めている。ミラノやローマ、ボローニャなどの観光スポットではコンクリートブロックで道を塞ぎ、不審車の侵入を防ぐ措置が取られた。英紙インディペンデントなどが伝えた。
スペイン・カタルーニャ州バルセロナと同州のカンブリス(Cambrils)では先に、車が歩行者に突っ込むテロが発生。それぞれ少なくとも14人、1人が死亡し、合わせて100人以上が負傷した。同様の事件は昨年には仏南東部ニースやベルリンで、今年に入ってからはロンドンやストックホルムなどで起きており、コンクリートブロックはこれを警戒したものだ。
ミラノでは、大聖堂広場やビットーリオ・エマヌエーレ2世記念堂に続くアーケードにブロックが設置された。ボローニャでも聖ペトロニオ大聖堂周辺の歩道と車道の間に柵を敷設。シチリア島パレルモやフィレンツェも同様の措置を取る方針を示しており、ジェノバとナポリはパトロールを増やすとしている。
首都ローマでは目抜き通りであるコルソ通りや、コロッセオとベネチア広場をつなぐフォリ・インペリアリ通りなどにコンクリートブロックが設置される予定。バチカンのサンピエトロ広場へ続くコンチリアツィオーネ通りでは既にこの措置が取られた。
イタリアではこれまでイスラム過激派組織によるテロは起きていないが、「イスラム国(IS)」は同国とバチカンに対し繰り返しテロ予告を出している。政府はこれまでに警備に当たる兵士を6,000人超増員したほか、国内のイスラム教徒への監視を強化。また、外国人の滞在条件を厳格化しており、過去2年で202人が国外退去を命じられている。
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