英政府は21日、欧州連合(EU)離脱後のモノとサービスの販売を巡る方針説明書を公表した。デービスEU離脱相は、事業者と消費者に対して経済大国としての英国の地位の確実性と信頼を与えるものと説明している。
同文書では、EU離脱による事業者や消費者への影響緩和に向けて、◇2019年3月のブレグジット以降も、これ以前に英国およびEUで販売していたモノについては、新たな条件や規制を適用しない◇自動車の一定のモデルなどに対する販売認可など、ブレグジット以前にこれを取得している製品については引き続き双方の市場で有効とする◇英国の消費者保護団体が、医薬品や食品など安全性に懸念がある製品に関する情報に継続的にアクセスできるようにする◇製品に関連するサービスについても追加の規制なく販売を継続可能とする、などを挙げている。
また別途公表した文書では、英国がEU加盟国と共有した機密情報について、EU離脱後も引き続きこれを守るよう求めている。
方針説明書は、EU離脱交渉における英国の立場を表明するもの。EUはかねて、英国在住のEU市民と在EUの英国民の権利問題やEU拠出金の清算問題、英・アイルランド間の国境問題に進展が見られない限り、貿易交渉には着手しない姿勢を示しているが、これに先立ち、英国側の立場を正式に示すことで、EU側に圧力をかける狙いもある。
これらの方針説明書を受け、欧州委員会の広報担当者は、離脱交渉が本格的に開始するに当たっての前向きな一歩として歓迎すると評した一方で、首席交渉官のミシェル・バルニエ氏が先に提示し、EU加盟27カ国が承認した離脱交渉の枠組みが、これらにより変更されることはないと述べた。
英国のEU離脱をめぐる両者間の交渉は、8月下旬に第3回が予定されている。[EU規制]
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