英政府は16日、全国生活賃金および全国最低賃金を支払っていなかった企業233社を公表し、1万3,000人を超える従業員に未払い分として過去最高の約200万ポンドが支払われると発表した。こうした企業に科せられた罰金も過去最高の計190万ポンドに上っている。
未払い額が最も多かったのはカタログ販売のアーゴスで、1万2,176人に合わせて146万1,881.78ポンドの未払いがあった。政府は80万ポンドの罰金を科している。同社は2月、従業員3万7,000人に対し、1人当たり平均64ポンドを未払いであると明らかにしていたが、うち3分の2は既に退職している。未払いが発生した背景には、始業前に義務付けられている打ち合わせへの参加や終業後のセキュリティーチェックが労働時間と見なされていなかったため。
政府が今回公表した企業の中で、未払い額と対象となる従業員数が共に最も多かったのは小売り業者。理容・美容業者とレストランなどホスピタリティー業界でもこうした傾向が目立った。未払いの理由としては、賃金から制服代が差し引かれることや残業を勘案していないこと、従業員に実習生の最低賃金を適用していたことなどが挙げられている。
全国生活賃金は25歳以上の全ての労働者が対象で、現行では時給7.5ポンド。全国最低賃金は、21~24歳の労働者では時給7.05ポンドとなっている。[労務]
※本コメント機能はFacebook Ireland Limitedによって提供されており、この機能によって生じた損害に対して株式会社NNAは一切の責任を負いません。