ポーランドの家族・労働・社会政策省は、年金受給開始年齢を予定通り10月1日から引き下げると発表した。欧州委員会は、男女間で異なる年齢を導入することは欧州連合(EU)の平等原則に反すると懸念を示していたが、この勧告を退ける格好だ。
ドゥダ大統領は昨年12月、年金受給開始年齢を現行の男女共通の67歳から、男性は65歳、女性は60歳にそれぞれ引き下げる法案を承認。欧州委は先に、「男女の平等な扱いはEUの重要な柱」だとして、ポーランド政府に懸念を表明した書簡を送付した。これに対しポーランド側は、異なる定年年齢の導入は社会的期待や自国の慣習に沿ったものとの主張。また、他のEU加盟国のオーストリアやチェコ、クロアチア、英国などでも男女間で異なると指摘している。
年金受給開始年齢は、中道右派の市民プラットフォーム(PO)による前政権が人口の高齢化に対応するため2012年に改革を実施し、段階的に現行年齢まで引き上げていた。しかし2015年10月に総選挙に勝利した法と正義(PiS)は、年齢引き下げを公約に掲げていた。[労務]
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