英政府統計局(ONS)は18日、6月の消費者物価指数(CPI、2015年=100)が103.3ポイントとなり、前年同月比2.6%上昇したと発表した。伸びは5月から0.3ポイント低下し、昨年10月以降で初めて減速。英中銀イングランド銀行が目標とする2%は5カ月連続で上回ったものの、前月並みを予想していた市場を驚かせた。同行への利上げ圧力が弱まりそうだ。
最大の押し上げ要因は運輸で3.7%上昇したが、自動車燃料が減速したことで、5月の4.7%を下回った。外食・ホテルは3.3%、家具・住宅設備は3.2%ぞれぞれ伸びた。食品・非アルコール飲料は2.3%のプラス。アルコール飲料・たばこは5.1%値上がりした。
価格変動の激しいエネルギー・食品・アルコール飲料・たばこを除いたコアインフレ率は2.4%と、5月の2.6%から減速した。
住宅所有者の住宅関連コストを含む新たな物価指標「CPIH」の上昇率は2.6%。カウンシルタックス(住民税)などを含み、年金や賃金交渉で参考にされる小売物価指数(RPI)は3.5%伸びている。ONSがRPIに代わる新指標として試験的に導入している「RPIX」は3.8%上昇した。
CPIは前月比では横ばい。通信と家具・住宅設備がそれぞれ0.7%、0.4%伸びた一方、衣料品・履物は1%値下がりした。自動車燃料は1.1%下落している。
イングランド銀は6月、政策金利を過去最低の0.25%に据え置くことを決めた。インフレ率は、従来の予想を上回って加速し、今秋には3%を超えるとの見方を示していた。
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