EU離脱に向けた「廃止法案」発表 野党の修正要求で議論長期化も

政府は13日、英国の欧州連合(EU)離脱に向けた最重要法案となる「廃止法案」を議会に提出した。EU法を廃止して国内法に置き換えるとともに、立法権をEUから英国に取り戻す内容。政府はブレグジット後も可能な限り従来と同じ法規制を適用することにより、スムーズなブレグジットを実現し、企業や国民に安心感を与えるとしている。ただ、最大野党・労働党をはじめ野党各党は既に修正を求めており、議論が長引く可能性もある。

廃止法案はまず冒頭で、英国のEU加盟を定めた国内法である「1972年欧州共同体法」を廃止。これにより、EU法の国内法に対する上位性が廃止され、新たなEU法は英国に適用されなくなる。既存のEU法の内容は引き続き効力を持つが、今後は英国が独自に修正・廃止できるようになる。廃止法案では個々のEU法の内容には触れず、一括して国内法に置き換え、不足部分については英国がブレグジット後2年以内に修正できるとしている。

デービスEU離脱相はこの法案について「最大限に確実で継続性があり、秩序だったEU離脱を実現するもの」と説明。国益のために各党が協力すればブレグジット当日から法制度を完全に機能させることは可能とした上で、「そのためには誰とでも協力する」と決意を示した。同法案の下院での審議は秋以降になる見通し。同法案は、英国のEU離脱期限である2019年3月までに上下両院を通過する必要がある。労働党は、政府の廃止法案がEU市民の人権について定めた欧州基本権憲章を廃止するとしている点など、全6項目の修正を求めている。

なおBBC電子版によると、英会計監査院(NAO)のエイミヤス・モース院長はこの日の記者会見で、政府のブレグジット計画は曖昧で統一性に欠けるとの考えを示した。同院長は「閣僚がもっと団結しなければ、このプロジェクトは最初の一押しで崩壊する」と批判。また、離脱の期限までに新関税システムの導入が間に合わない可能性が取り沙汰されていることについて、関税当局が手作業をすることになれば「恐ろしい事態になる」と予想。当局によるバックアップ計画の立案をもっと支援するよう政府に求めている。


関連国・地域: 英国EU
関連業種: 経済一般・統計IT・通信社会・事件政治

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