英国の大手企業では、英国の欧州連合(EU)離脱で事業環境が悪化するとの見方が72%となり、1年前に国民投票でEU離脱が決まって以来で最も高い水準に達している。大手会計事務所デロイトが10日公表した最新調査で明らかになった。
この調査は122社の最高財務責任者(CFO)を対象に、総選挙後の6月12~27日に実施された。EU離脱が事業環境に与える長期的な影響について「悪くなる」と答えたCFOは72%と、前回第1四半期の60%から大幅に上昇。逆に「よくなる」との回答は8%と11ポイント低下した。事業環境が悪化するとの回答は、EU離脱が決まってから徐々に低下していたが、与党・保守党の過半数割れという総選挙の結果が影響したと見られる。
事業の見通しを3カ月前に比べて「とても楽観している」「やや楽観している」との回答は合わせて18%と、前回調査から13ポイント低下。一方、「とても悲観している」「悲観している」との回答は合わせて42%となり、前回から25ポイントも上昇した。
向こう1年間の設備投資と新規採用についても、「大きく減らす」「やや減らす」の回答が「大きく増やす」「やや増やす」をそれぞれ32ポイント、42ポイント上回り、3カ月前に比べて開きが大きく広がった。
デロイトの北西欧州部門トップのデビッド・スプロール氏は調査結果について、「英国企業の今後の成功に必要な人材と市場へのアクセスといった良好な事業環境を生み出すうえで、ブレグジットの交渉の重要性を明示するもの」と述べている。[労務]
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