メルケル首相率いる与党第1党のキリスト教民主同盟(CDU)とその姉妹政党のキリスト教社会同盟(CSU)は3日、9月に実施される総選挙に向けた公約を発表した。経済の好調ぶりを背景に、減税や国内投資の拡大、失業率のさらなる低下を約束している。
両党は、所得税の最高税率の下限を年間所得5万2,000ユーロから6万ユーロに引き上げるほか、児童手当や住宅の一次取得者への補助を拡大する方針。また、失業率を2025年までに3%以下に引き下げることを目指す。国内投資としては、150万軒の住宅を建設するほか、ブロードバンド網を拡充する。加えて、警察官を1万5,000人増員する。
国際通貨基金(IMF)は5月に公表したドイツ経済に関する最新報告書で、同国にインフラや育児支援への投資拡大と所得減税を促していた。
連立相手の社会民主党(SPD)は両党の公約について、「減税は高所得者にしか恩恵をもたらさず、貧富の格差がさらに拡大する」と批判。児童手当の増額も今国会中に実現できたはずで、今更これを提案するのは票目当てに過ぎないとしている。SPDは先に、所得税の最高税率を42%から45%に引き上げるとともに、最高税率の課税対象を年間所得7万6,000ユーロ以上とする公約を打ち出している。[労務]
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