英政府、在英EU市民の権利保障方針を発表

英政府は26日、英国に居住する欧州連合(EU)市民のブレグジット後の権利に関する方針の詳細を公表した。在英年数が所定の期日までに5年に達した人は、オンラインで「定住資格」を申請することができ、認められれば医療サービスや教育、社会福祉、年金などで英国民と同等の権利を得られる。

通常、英国で永住権を申請する場合には85ページにわたる申請書類を記入し、大量の証拠書類を添付する必要があるが、EU市民向けの定住資格申請ではこれを大幅に簡素化する。例えば、歳入関税庁(HMRC)や雇用・年金省などのデータベースを活用し、雇用状態の証明義務を最小限とすることなどを検討している。

「所定の期日」は未定だが、英国がリスボン条約第50条に基づきEU離脱を正式に通告した2017年3月29日から、2年間の離脱交渉期間が終了する2019年3月29日の間に設定される見通し。EU側は2019年3月29日案を推すとみられている。

またブレグジット後に一定の猶予期間を設け、所定の期日までの在英年数が5年に満たないEU市民に対しても、この間は従来通り英国での居住と労働を認める。猶予期間は2年程度になる見通し。政府は、これによりブレグジットの時点で、在英EU市民が国外退去を命じられる恐れは一切なくなると強調している。こうしたEU市民は、猶予期間の終了後に一時居住資格を申請し、在英期間が5年に達した時点で定住資格を申請できる。

EU市民は配偶者や扶養家族を呼び寄せることができるが、年収の条件などが定められるかどうかは未定。メイ首相はブレグジットまでは無条件で呼び寄せを認めることを示唆している。ブレグジット後の在英EU市民の権利については、従来の欧州司法裁判所ではなく、英国の裁判所の管轄とする方針。英政府は、在英EU市民に認めるのと同等の権利を、EU在住の英国民にも認めるようEUに要求する。

最大野党・労働党のコービン党首はこの方針について、「(認められる権利が)少なすぎるし、遅きに失した」と批判。「1年前に労働党が議会に同様の提案をした時点で、政府も方針を打ち出すべきだった」と話している。[EU規制][労務]


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