野党・自由民主党のティム・ファロン党首は14日、党首を辞任すると明らかにした。下院の選挙戦を通じで同性愛や妊娠中絶に対する姿勢が批判を浴びたことで、「キリスト教の信仰に忠節を守ることと党を率いることは両立し得ないと感じた」としている。BBC(電子版)などが伝えた。
選挙戦でファロン氏は、メディアから同性愛が宗教上の罪であるか何度も質問され、最終的には同性愛は罪ではなく妊娠中絶の権利を支持することを表明した。しかし同氏は今回、「賢い人であれば質問にもっと上手に対応できただろう」とコメント。「現代の進歩的でリベラルな党の党首である同時に、献身的なキリスト教徒として生き、聖書の教えに忠実であることは自分にはできない」と述べた。
ファロン党首は辞任に消極的だったが、党内の複数の重鎮が辞任を説いたとされる。党首辞任に対しては、ウェルビー・カンタベリー大主教をはじめキリスト教指導者から賛辞が寄せられている。
自由民主党は下院選で欧州連合(EU)残留を訴え、議席を9議席から12議席に増やしたものの得票率は2015年前回総選挙の7.9%から7.4%に低下。ニック・クレッグ前党首は落選した。同党は2010年から2015年に保守党と連立を組んだが、これが支持者の離反を招き、前回の選挙では惨敗を喫していた。
辞任を受けた党首選には、エド・デイビー氏やノーマン・ラム氏などが立候補するとみられている。
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