イタリアの1,000を超える市町村で11日、首長選挙が実施され、出口調査と初期段階の開票結果では、欧州連合(EU)懐疑派の新興政党「五つ星運動」の候補がほとんどの主要都市で決戦投票に進めずに敗退した。来年5月までに予定される総選挙を前に、同党の勢力に陰りが出てきた。
五つ星運動の候補はパルマ、べローナ、パレルモ、ラクイラ、カタンザーロ、レッチェのほか、同党を率いるベッペ・グリッロ氏の故郷であるジェノアでも上位2位に食い込めず、25日の決選投票に進めるのは南部ターラントだけとなる見込み。
中道左派の与党・民主党で地方問題を担当するリッチ氏は今回の結果について、ローマ市長選での勝利から1年で、五つ星運動の地方レベルでの統治能力に対する否定的な判断が示されたと評した。
投票では、レッチェ、ベローナ、パドバ、ジェノバでは中道右派勢力が、ラクイラでは中道左派勢力がそれぞれ優勢となり、パレルモでは中道左派の候補が1回目の投票で再選を決める見通しだ。
なお国政レベルの政党支持率は、民主党と五つ星運動が約30%で拮抗(きっこう)し、中道右派のフォルツァ・イタリア、移民や欧州単一通貨ユーロに反対する北部同盟がそれぞれ13%程度となっている。
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