欧州連合(EU)の出発点となるローマ条約の調印から60年を迎えた25日、英国を除く加盟27カ国はローマで記念サミットを開き、EUの将来像を描く「ローマ宣言」を採択した。
宣言では、欧州が2つの世界大戦を経て歩んできた道のりを振り返り、平和、自由、民主主義、人権、法の支配といった共通の価値観に基づき独自の連合を築いた実績を評価。過去の対立を乗り越え、数億人の共存を実現したことを祝った。
一方で、地域紛争、テロ、移民、保護主義、社会的・経済的格差といった深刻な問題が域内外に存在することも指摘。こうした課題に団結して立ち向かうことを誓っている。また向こう10年間の目標として、安全や豊かさを追求するとともに、国際社会における責任や競争力を持つ強固な欧州を目指す方針を確認した。
ただ、今後の欧州統合の進め方については、各国の準備の度合いに応じ統合速度に地域差を設けるという独仏などの提案にポーランドが強く反対。原案に盛り込まれた抜本的改革は、内容が薄められる格好となった。
※本コメント機能はFacebook Ireland Limitedによって提供されており、この機能によって生じた損害に対して株式会社NNAは一切の責任を負いません。