ドイツで男女の賃金格差が最も大きい職業は医師――。こうした傾向が、人材派遣会社ステップストーンが実施した最新の調査で明らかになった。
調査は2016年第3四半期(7~9月)に、国内で幹部・管理職に就く5万人を対象に実施した。それによると、全10業種で男性の給与が女性より高かった。中でも、男性の医師の平均年収が9万5,167ユーロだったのに対し、女性の医師は6万4,490ユーロにとどまり、格差は約32%に及ぶことが分かった。金融業界でも男性の平均年収7万766ユーロに対し、女性は5万1,155ユーロと28%近く低くなっている。一方、男女差が最も小さかったのはIT(情報技術)分野で、男性が6万3,398ユーロ、女性が5万6,329ユーロと格差は11%だった。
なお、政府は昨年3月、ドイツでは女性の平均給与が男性を21.6%下回っており、男女の賃金格差はエストニア(28.3%)とオーストリア(22.9%)に次いで欧州で3番目に大きいことを明らかにした。賃金格差は、英国(18.3%)や、フランス(15.3%)、スペイン(18.8%)、イタリア(6.5%)など欧州連合(EU)の主要加盟国を軒並み上回っている。また業種やパートタイム雇用、資格の有無、職歴といった賃金の差の原因となる要素を加味した上でも、男女の平均賃金には7%の開きがあるとされる。[労務]
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