フランスのワイン・蒸留酒の輸出額は2016年に118億5,000万ユーロとなり、前年比1.2%増加した。コニャックが好調だったほか、ユーロ安が追い風となり、2年連続で過去最高を記録している。仏ワイン・蒸留酒輸出連盟(FEVS)の最新統計を元に、仏経済誌レゼコーなどが10日伝えた。
輸出額の内訳をみると、主力のワインは78億7,000万ユーロと0.8%減少した。一方、蒸留酒は5.2%増の39億4,000万ユーロ。中でも、コニャックは6.5%増えて過去最高を記録した。
国別では、米国がワイン・蒸留酒を合わせて28億ユーロと最も多く、輸出額全体の4分の1超を占めた。また、中国も前年比12.7%増と力強く回復している。ワインの主要輸出先の1つである英国は、欧州連合(EU)離脱決定による通貨ポンドの下落を受け落ち込んだ。
輸出量は全体で前年並みにとどまった。うち、ワインは1.8%減少。一方、蒸留酒は5.1%増加した。中でもコニャックは5.5%増え、こちらも過去最高水準に達した。
FEVSのクリストフ・ナバル会長は、「フランス産ワインは供給不足で価格が高く、競合国と比べ不利」と指摘。ブドウの作付面積を拡大し、ワインの生産量を増やすことが必要としている。また「競合のチリやオーストラリアが中国と自由貿易協定(FTA)を結ぶ一方、フランス産ワインには14%の関税がかかっている」と述べ、新規市場の開放を促す必要性も訴えた。
※本コメント機能はFacebook Ireland Limitedによって提供されており、この機能によって生じた損害に対して株式会社NNAは一切の責任を負いません。