ドイツのローマン・ヘルツォーク元大統領が10日、死去した。82歳だった。同氏はベルリンの壁崩壊後の統一ドイツで経済改革の必要性を力強く説いた。大統領府が発表した。
ヘルツォーク氏は、現在メルケル首相が率いる与党・キリスト教民主同盟(CDU)に所属。連邦憲法裁判所の長官を経て、東西ドイツ統一から4年後の1994年に大統領に就任し、1999年まで務めた。
同氏は1997年にベルリンで行った有名な演説で、変化を恐れていてはグローバル化から取り残されると警鐘を鳴らし、「ドイツには21世紀に向けたショック体験が必要」と訴えた。また昨年には、欧州連合(EU)離脱と反難民を訴える「ドイツのための選択肢(AfD)」の躍進を阻止するために、主要政党はもっと努力するべきと苦言を呈した。
シュタインマイヤー外相は訃報を受け、「われわれは偉大なる憲法学者、政治家かつ指導者を失った」とコメント。「ヘルツォーク氏は困難な問題についても真実を語ることを恐れず、率直で正直で賢明な人物だった。ユーモアのセンスを決して失うことはなかった」と同氏の死を悼んだ。
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