英政府が、ブレグジットをめぐる新たな法的論争に直面している。今回の焦点は、英国が欧州連合(EU)離脱に伴い、製品やサービス、ヒト、資本の自由な移動を認めた欧州経済領域(EEA)も自動的に脱退するのかどうか。シンクタンクのブリティッシュ・インフルエンスは、EEA離脱には議会の承認が必要と主張し、政府を提訴する構えを見せている。BBC電子版が28日伝えた。
EEAには、EU加盟28カ国とアイスランド、リヒテンシュタイン、ノルウェーの3カ国が参加する。これら3カ国はEU予算に一定の資金を拠出し、ヒトの自由な移動を受け入れるのと引き換えに、欧州単一市場との無関税貿易を認められている。
政府は、英国はEU離脱と同時にEEAも自動的に脱退すると主張している。ただ法律家の間には、EEA協定の第127条を発動しない限り、EEAは正式に離脱できないとの意見もある。オックスフォード大学のジョージ・ヤロウ教授は、「EEA協定には、英国がEUを離脱すればEEA加盟が取り消されるとの規定はない」と指摘。「EEA離脱手続きは第127条にしか規定されておらず、これを発動する必要がある」と話す。
裁判でこうした主張が支持されれば、議会がEU離脱後もEEAの加盟を継続する道を選び、英国は欧州単一市場にとどまる可能性がある。[EU規制]
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