ロシア連邦捜査委員会は15日、収賄容疑でウリュカエフ経済発展相の身柄を拘束したと明らかにした。国営石油大手ロスネフチによる南西部バシコルトスタン共和国の石油会社バシネフチ(Bashneft)の株式50.08%の取得を認めた見返りに、200万ドルを受け取った疑いがあるという。イタルタス通信が伝えた。
連邦捜査委員会は同経済発展相を近く訴追する。有罪が決まれば8~15年の懲役刑を科せられる。イタルタス通信によれば、ベデフ副大臣が暫定的に代理を務めるもようだ。ウリュカエフ氏は、日本とロシアが進める経済協力交渉を担う重要閣僚の1人で、今後への影響も懸念されている。
ロスネフチは10月に、バシネフチの株式を3,296億9,000万ルーブル(53億ドル)で取得した。ロシア政府が民営化を進めるバシネフチの株式を別の国営企業が買い取ることについては、政府内でも反対意見があった。しかし政府は10月初めにロスネフチによる買収を認めており、今回の収賄事件の背景には政府内の対立があるとみられている。
ロスネフチはイタルタス通信に対して、バシネフチの株式取得は合法的なものであったと強調。連邦捜査委員会のスポークスマンも「ロスネフチによるバシネフチ株の買収は法に基づいて行われた」と述べている。[M&A]
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