欧州連合(EU)離脱派の急先鋒だったジョンソン英外相が、離脱支持を表明する2日前に、残留を呼び掛けるコラムを執筆していた事実が明るみに出た。未発表の原稿は16日、サンデー・タイムズに掲載された。
同コラムでジョンソン氏は「離脱派には、答えなくてはならない大きな問題がある」とした上で、ブレグジットにより引き起こされる経済的な打撃や、英国分裂の可能性、ロシアや中東を不当に勢いづかせるリスクを訴えた。また、EU加盟に伴う経済的なコストは、欧州単一市場へのアクセスから得られる利益と比べると軽微だとし「なぜ我々はかたくなに背を向けようとしているのか」と訴えた。また「英国のことを、英国以外のEUのことを、そして未来について考えよう」と、ブレグジットによる未来の世代への影響を熟考するよう呼び掛けている。
ジョンソン氏は今回の流出を受け、「当時は他の多くの人々と同様、残留と離脱の間で揺れていた」とし、考えを整理するために記事を執筆したと説明。ただ、執筆後には離脱が正しい選択であることを確信したと主張している。
これに対し、EU残留派だった自由民主党のクレッグ前副首相・前党首は「ジョンソン氏やその他の離脱派主導者は国民投票前のキャンペーンで、ブレグジットの経済的な打撃について、国民に対して嘘をついていた」と非難している。
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