ドイツで建物の暖房使用量が減少している——。断熱工事など、建物の暖房効率向上に向けた取り組みが実を結んでいる格好だ。ドイツ経済研究所(DIW)が28日公表した最新調査で明らかになった。
DIWはエネルギー管理サービスを手掛ける独istaのデータを元に、暖房に使用されたエネルギー消費量をまとめた。それによると、2015年の暖房消費量はドイツ全体で前年から平均6%減少。2003年と比べると、大きく18%減っている。また、省エネへの取り組みは不動産業界が主導する方が効果的で、1,000軒以上の物件を抱える不動産会社の物件の暖房消費量が、断熱工事前と比べて平均36%減少したのに対し、中規模企業の物件では26%、小規模企業の物件や個人宅では平均18%程度にとどまった。
ドイツ政府は5月、温室効果ガス排出量の削減に向けたエネルギー転換戦略の一環で、2020年までに省エネ促進策に170億ユーロを投じると発表した。予算は建物の断熱工事費の補助や、エネルギー効率の改善に向けた研究支援、節電効果のあるスマートメーターの導入などに振り向けられる。
政府は2050年までに一次エネルギー消費量を2008年比で50%削減する目標を掲げている。また、同年までに国内電力生産量の80%を再生可能エネルギー由来で賄うとともに、温室効果ガス排出量を1990年比で80%削減を目指している。[環境ニュース]
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