仏コルシカ島の行政裁判所は7日、イスラム教徒の女性向け水着「ブルキニ」の着用を禁止する条例の凍結を拒否する決定を下した。他の自治体が禁止条例を凍結する中、一連の動きに逆行する格好だ。AFP通信などが伝えた。
コルシカ島の村シスコ(Sisco)では8月、観光客がブルキニを着た女性の写真を撮ったことを発端に、モロッコ出身の家族と地元住民が衝突する事件が発生。これにより一部の住民が暴徒化し、警察100人以上が動員された経緯がある。コルシカ島の判事は「住民の間での緊張感が緩和されていない」と指摘。シスコでの事件をふまえ、ブルキニの着用は公共の秩序を乱す恐れがあり、地方自治体はこれを回避する義務があるとの結論を下した。
ブルキニをめぐっては、7月にニースで起きたテロをきっかけに、宗教色の強い水着は公共の秩序を乱す恐れがあるとして、南東部プロバンス・アルプ・コートダジュール地域圏のビルヌーブルべ(Villeneuve Loubet)やニース、カンヌなどでも禁止条例が出されていた。ただ、先に仏国務院(行政訴訟の最高裁に相当)がビルヌーブルべの同条例を差し止める判断を下したことで、各自治体は相次いで条例を凍結している。
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