コルシカ島北東部シスコ(Sisco)で13日午後6時15分ごろ(現地時間)、北アフリカ出身のイスラム教徒家族と地元住民が衝突する事件が起きた。これにより一部の住民が暴徒化し、5人が負傷した。AFP通信などが伝えた。
事件の発端は明らかにされていないが、報道によると、観光客がイスラム教徒の水着「ブルキニ」を着た女性の写真を撮ったことが原因とされる。衝突では石や瓶に加え、手斧やもりが持ち出されたほか、車3台が放火された。翌14日には隣町のバスチア(Bastia)に地元住民500人が集結して抗議活動を行い、北アフリカ出身者のコミュニティーに立ち入ろうとしたが、警察によって止められている。
コルシカの自治体は事態の収束を呼び掛けるとともに、島内でのブルキニの着用を禁止する条例を発令。ブルキニをめぐっては先に、仏南東部カンヌとビルヌーブ・ルベ(Villeneuve-Loubet)でも世俗主義に反するとして禁止令が出ており、国内で3例目となった。
■ニース裁判所、カンヌのブルキニ禁止を支持
ニースの裁判所は14日、カンヌが発令した海岸でのブルキニ着用を禁止する条例について、これを合法とする判断を下した。同国がテロの脅威にさらされている現在、宗教色の強い水着は公共の秩序を乱す恐れがあるとする同市の姿勢を支持した格好。
この条例は、ブルキニが同国の世俗主義に反するとしたもの。また、13日にはビルヌーブ・ルベでも「衛生的でない」との理由でブルキニが禁止された。一方、反・反イスラム主義団体や人権保護団体などはこうした動きに激しく抗議している。
フランスでは2011年、ブルカやニカブなど顔全体を覆うベールの着用を禁じる法律が発効。ただ、頭髪のみを覆うヒジャブはこれに該当せず、ブルキニについての規定もない。
同国では7月にニースや北部ルーアン(Rouen)で起きたイスラム過激派によるテロを受け、反イスラム主義が高まっている。
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