ロシア大統領府は12日、セルゲイ・イワノフ大統領府長官が辞任したと発表した。後任にはアントン・ワイノ副長官が就き、イワノフ氏は運輸・環境問題の大統領特別代表となる。同氏は長年、プーチン大統領の側近として活躍してきただけに、突然の退任劇に驚きの声が上がっている。
イワノフ氏はプーチン大統領と同じ旧ソ連国家保安委員会(KGB)出身で、同大統領がKGBの後身である連邦保安庁(FSB)長官だった際には次官を勤めた。その後、同大統領が政権を握ると同時に防衛大臣や副首相など要職を歴任。大統領が最も信頼する人物の1人として知られ、一時は後継者とも目されていた。2011年12月から現職。
辞任の理由は明らかにされていないが、プーチン大統領は、イワノフ氏の退任は本人の意思によるものと説明。同氏はかねて、4年をめどに長官職を降りたいと申し出ていたという。ただ、今回の人事は事実上の降格となることから、イワノフ氏が解任されたとの臆測もある。
なお、後任のワイノ氏は外務省出身で、在日ロシア大使館に勤めた経験を持つ。2012年5月から大統領府副長官を務めている。
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