イタリアの最高裁は8日、レンツィ首相が提唱する憲法改正案をめぐり、国民投票の実施を承認した。同首相はこれによりイタリアの政治的な安定が保証されると主張している。ロイター通信などが伝えた。
改憲案は4月に既に上下両院で可決されたもので、予算や政府の解散に関する上院の権限をなくすほか、上院の定数を315議席から100議席へ大幅に減らす内容。イタリアは第2次世界大戦以降、任期を満了した政権が1つもないなど政治体制が極めて不安定なことで知られるが、レンツィ首相は改憲案が国民投票で承認されれば、こうした状況に終止符を打つことができると訴えている。
最高裁は今回、投票実施に必要な50万人以上の署名が集まったと認定。政府は今後60日以内に日程を定める必要があり、来年度予算承認後の10~12月となるとの見方が強い。首相は否決されれば辞任すると約束するなど、憲法改正に自らの政治生命を賭けている。
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