ドイツの南部バイエルン州のアンスバッハ(Ansbach)で24日午後10時10分ごろ(現地時間)爆発があり、容疑者とみられるシリア人の男(27)が死亡、15人が負傷した。現場は野外コンサート会場の入口付近で、事件を受けて約2,500人の観客が避難した。ドイチェ・ウェレなどが伝えた。
BBC電子版によると、容疑者の携帯電話からはイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」の指導者に忠誠を誓う映像が見つかっており、この中でドイツ人に報復攻撃を行うと脅迫していた。
犯行時、容疑者は背負っていたリュックサック内の爆発物を起爆させたが、当局はこの爆弾の作りから、可能な限り多くの人を殺傷しようとした意図がうかがわれると指摘した。容疑者が住む難民向けの施設からは、爆発物の製造に用いられたガソリン、過酸化水素なども見つかった。
なおIS系ニュースサイト「アーマク通信」は、事件がISの戦闘員によるものだったと事実上の犯行声明を出している。
容疑者は2年前にドイツに渡り、約1年前に難民申請を拒否されていた。ブルガリアに移送されることになっていたものの、母国が内戦状態にあるため一定期間の移住を許されていた。バイエルン州のヨアヒム・ヘルマン内相は、容疑者が過去に2度ほど自殺を試み、精神疾患の治療施設への入院歴があったことを明らかにしている。
バイエルン州では、ここ1週間で移民や難民による市民への攻撃が相次いでいる。22日にはミュンヘン北西部のオリンピア(Olympia)・ショッピングセンターとその付近で、イラン系ドイツ人の男(18)が銃を乱射し、9人が死亡、35人が重軽傷を負った。また18日には、アフガニスタン出身とされる難民の少年(17)がビュルツブルク(Wuerzburg)行きドイツ鉄道(DB)の乗客をおのとナイフで攻撃し、香港出身の4人が重軽傷を負った。同事件はIS系メディアが戦闘員の1人だと報じており、警戒態勢が敷かれていた。
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