身長190センチ余り、体重100キロを優に超す巨体は存在感たっぷり。ドイツのヘルムート・コール前首相が今月、75回目の誕生日を迎えた。
念願の東西統一を果たした功労者だが、1999年末に発覚したヤミ献金疑惑で名声は泥にまみれた。かつて率いたキリスト教民主同盟(CDU)による70歳の記念行事は中止の憂き目に。資金の提供者をついぞ明かさなかったことで、党内からも冷たい視線が向けられた。
スキャンダルの真相は今も謎のままだ。しかし5年たち、逆風はだいぶ和らいでいる。先週には党の創始者、アデナウアー元首相の名を冠した財団の主催で祝賀のシンポジウムが開かれ、メルケル党首は「CDUを真の国民政党に生まれ変わらせた」と称賛した。ユーロ導入に尽力した功績と併せ、その名は永遠に歴史に刻まれるだろう。(知)
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